古代ギリシアの食い物「マーザ」について その1

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古代ギリシアの食事に「マーザ」と呼ばれるものがあります。

「戦史」の中で、以前から気になっている記述がありました。
ある重要で緊急な連絡をするために、三段櫂船の乗組員に準備された食事が「(大麦の)ひき割りを葡萄酒とオリーブ油で練った餅(岩波文庫版)」で、漕ぎ手はこれを食べながら昼夜兼行で漕ぎまくった、というのです。(戦史3巻49)

最初に読んだときは、「こんなもの食えるのか? い、いや、きっと火は通してあるに違いない」と思っていました。
 
その後、「古代ギリシアの生活文化」(J.P.マハフィー著 遠藤光・遠藤輝代訳 八潮出版社 1991)という本を読んだ時に、「マーザ」という単語に初めて出会いました。この本には、

「古代ギリシア人たちが食べるパンは、ふつう、発酵させることも焼くこともなかった。それは大麦の粗びき粉(アルピタ)で作られた簡単な生パン(パトーから作るマーザ)であり、乾燥した時には、水やブドウ酒や油で湿らし、それ以上手を加えることをしないで食べた。実際、我々が想像するに、それは、紛れもなく、冷たい雑炊に似ていたようである。(p.48)」

とあり、貧乏人の食事としてはありふれたものだったというように記述されています。
麦で雑炊というと、私はオートミールがまず思い浮かんだのですが、あれはしばらく煮て、それこそ雑炊にして食べるものです。それなのに、「火を通さない」とは何ぞや?

その後さらにネットで調べてみると、「マーザ」には色々な種類があることがわかりました。
まず日本語で「マーザ 古代ギリシア」でGoogle先生に聞いてみると「【マスコミ】の【マスmass】は『マーザ(大麦のケーキ)』が語源」というページが多くヒットします。しかし、具体的な「マーザ」の内容は描かれていません。
仕方ないので英語で「maza cook greek」とか適当に聞いてみると、パンケーキやリゾットのようなものが引っかかります。
また、英語版wikipediaの古代ギリシア料理の項目によれば、マーザは雑炊のように料理するか、パンケーキのように薄く焼くか、はちみつやチーズを入れて調理するもの、とあります。
(例によってエキサイト先生に翻訳してもらったので、何となくしかわかりませんでしたが)

ということで、どうもマーザは「挽き割り小麦を水やワイン、オリーブ油で練ったり伸ばしたもの」というのが元々の意味で、そこから煮たり焼いたりするものもある、というのが正しいようです。

さらに、先日手に入れた本(ソクラテスの最後の晩餐 塚田孝雄 筑摩書房 2002)には、もう少し記述がありました。

・マーザの一番簡単なものは大麦粉を水で溶いたもの。
・もう少し上等だとお湯で溶く(蕎麦がきのようなもの)
・パンケーキのように焼いたもの。ゴマが入ったりはちみつを塗ったりしたのもある。


残念ながらこの本には、この部分の資料の出典が書いてないのですが、重要なのは「水で溶いただけのマーザがある」ということです。
つまり「戦史」に出てくる漕ぎ手の食事は「火を通していないマーザ」ということではないか。
これだけのことなのに、調べるのにえらい時間がかかりました。

ちょっと続きます。
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