300 帝国の進撃 感想メモ

ここでは、「300 帝国の進撃 感想メモ」 に関する記事を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
前作「300」をDVDで買っていた(500円の中古だけど)ので、続編も見てみようかなーと思い、昨日見に行きました。
仕事が死ぬほど忙しくてあれだけど「古代ギリシア入門」は続けるか作りなおすかしたいと思っているので、そのきっかけになればなー、と。
(史実からぶっ飛んでいれば、それはそれで歴史脳を刺激されるような気がしたので)

いやぁ、「どうせまた歴史考証とかめちゃくちゃなんだろうなー」とは思っていたけど、
まさか開始5分で吹きそうになるとは思わんかった。

以下突っ込みと感想メモ。
あ、ここから先はネタバレ全開なので注意。

・いきなりレオニダスの王妃ゴルゴがスパルタ戦士とともに軍船の上に。まあこれくらいは想定範囲。

・テミストクレスがマラトンでダレイオスを倒した?ミルティアデス涙目。あとダレイオスマラトンにきちゃいかんだろ。しかも弓で致命傷負っちゃいかんだろ。なんか地味ななりだし、あっけなさ過ぎて大王もなにもあったもんじゃない。
あれ、この走ってダレイオス守ろうとしてるのクセルクセス?ビジュアルが違いすぎてわからんわー。つーかお前も来とったんかい。

・アルテミシアがペルシア王の娘?あ、欧米でよくある表現の「娘」か。でもハリカルナッソスの女王じゃない……。

・ダレイオスに矢、突き立ったまんまかよ!この状態でペルシア本国までとか地獄の苦しみだろ。ペルセポリスまで当時なら2カ月はかかるぞ。

・クセルクセスがあのへんな格好なのは「トンでもペルシア」の文化だからじゃなくて、魔術のせい?あんなにでかいのも?神王(GOD KING)ってなんじゃそりゃ。
なんかアルテミシアの傀儡っぽいし。それでいいのかクセルクセス。

・アイスキュロス、あんた名前が出ないと誰にも悲劇詩人だと(欧米でも)気づかれないぞ。劇中は名前すら出てこなかったせいで、あんたただのテミストクレスの友人Aになっとるわ。

(ビール呑見ながら見て、眠くなってきたのでこのあたりからいろいろあいまいに)

・ペルシア艦隊1000隻に対して、ギリシア艦隊50隻かよ!それじゃどんな策略使っても戦ったら負けるわ……。

・細かい話だけど、ギリシア艦隊円陣(というか輪になってる)けど、舷側を外に向けてちゃ円陣逆効果だろ。
しかも自分で「(船の)横腹は弱い」っていってるじゃん。
(古代の海上での円陣は必ず舳先を円の外に向ける。船首は衝角攻撃を想定して頑丈だし、すぐに円陣から突撃して攻撃できるので)

・と思ったらギリシア無双で切り抜ける。逆にペルシア艦隊無能すぎだろ。主力のフェニキア人なめられてるぞ。

・なんか鉄甲船みたいなでかい船がガレー船(三段櫂船ではないっぽい)にひかれて突撃してきた。
これって引き船沈めりゃ終了じゃねーの?

・鉄甲船えらい頑丈だな。重油みたいなの吹いてるし。(海面にべったり広がって、槍の穂先にまとわりついてたのでたぶん重油)
いっそ火炎放射器にすればおもしろかったのに。歴史好きならご存じビザンツの秘密兵器「ギリシア火」のルーツはここだー!!みたいな感じで。

・親衛隊(だったかな)、出撃…って泳いでかよ!!
どう見ても自爆兵です、本当にありがとうございました。またイランあたりから抗議が来そうだ。

・重油っぽいのにえらい勢いで燃えとるな。せめてガソリンにしとこうよ。

・鉄甲船吹きだす重油に引火し大爆発。なんちゅうもろい船じゃ。
石油→燃える→大爆発とか単純に過ぎるような。

・船の乗員に総員退避を命じつつ、自分は船上にとどまるテミストクレス。史実のこいつなら絶対真っ先に海に飛び込むと思う。

・目の前での爆発に巻き込まれ、炎に包まれたにもかかわらずやけどひとつないテミストクレス。さすがギリシア人(脳筋)だ、爆発なんてなんともないぜ。

・海の中でモササウルスみたいな怪獣が船員をむさぼり食ってる。エーゲ海こえーわーあんなのいたらガレー船でも安心できないわー。いつから舞台がアルゴノーツの時代になったんだよ。
(まあテミストクレスの夢っぽくもあるが)

・ノコノコと敵のお迎えの船に乗り込みアルテミシアと対面するテミストクレス。史実のこいつならそもそも絶対にこんなことしないだろうがまあそれはいいや。
引き抜き工作されて、色香で誘われる。いや、なんか気のきいた策略の一つでも仕込めよ。史実のあんたは古代ギリシアいちの策士だろうが。

・変なセックスシーンは、これ笑いどころなのか?
おっぱいおっぱい!!……と言いたいところだが、エロスは前作のトランス状態の娘のほうがはるかに上だな。
最後にくそきったないエフォロスに舐められるところも含めて。

・ヤることヤっておきながら「(引き抜きを)断る」とか、しかも即座にたたきのめされ衛兵に両脇抱えられて追い返されるとか、カッコわるいにもほどがあるわ。何だったんだよ。

・ギリシア陣営に帰ってきて「なにか収穫あった?」と聞かれ無言のテミストクレス。まさか敵将とヤってました、とか言えんわな。ほんとなんなんだよこのパート。

・テルモピュライ(映画では熱門(ホット・ゲート)、まあ意味はあってる)を突破し、アテナイを蹂躙するクセルクセス。また神王とか言ってる。魔術の力で変身して背丈が伸びた以外、特に特殊能力ないっぽいんだけど、結局意味あるの?

・アルテミシアが激昂しサラミス海戦に突入。おいおい史実ではクセルクセス止めてただろ。あんたが突っ込んでどうする。

・なんかもう無策のまま(にしかみえない)状態で海戦に突入するアテナイ。スパルタの脳筋がうつったか。
そしてボコボコにされる。

・と思ったらテミストクレスの秘策がさく裂!!……って船上で馬かよ!しかも主将自ら単騎突撃かよ!脳筋にもほどがあるぞ。

(なんかもうこの辺からどうでもよくなってくる)

・なんか船と船を騎馬で飛び移ってペルシア旗艦に乗り込みアルテミシアと対峙して打ち取ったりー!
……アルテミシア死ぬんかい。出身地の英雄をこうも捻じ曲げられては、ヘロドトスも草葉の陰で泣いておろう。

・そしていいところで助けに来る、先王の王妃ゴルゴ率いるスパルタの大艦隊。
史実的には突っ込みどころ満載すぎるのは言うまでもないんだけど、映画のストーリー的にもどうなのかねこれ。テミストクレスがただ絶望的にペルシア艦隊に突撃したところをスパルタが艦隊率いて挟み撃ちして勝利って、これじゃサラミス海戦の勝者はテミストクレス率いるアテナイじゃなくてゴルゴ率いるスパルタじゃん。
(そういう意味では、ゴルゴはレオニダスをはるかに上回る戦果をあげた名将になっちゃう気もするのだが)
サラミス海戦なんてアメリカ人でも学校で必ず習うと思うんだけど、いくら向こうの一般人でも突っ込み入れるんじゃないだろうか。

・ゴルゴ姐さん旦那の形見の剣で敵をバッタバッタとなで斬りに。
これじゃ極道の女シリーズじゃねぇか。

・そして艦隊の敗北を見て立ち去るクセルクセス。これやっぱり第三部への引きなのかなぁ。作らないほうがよいと思うが。

映画としての感想:
もともと史実性には期待は全然してませんでしたが、予想をはるかに上回る脱線っぷりでした。
しかも今回は、それがエンタテイメントにうまく結び付いてない。

前作「300」って、西洋人ならだれでも知ってる史実をもとに、死を覚悟しながら無双するスパルタ人を見せる映画だったと思うのですよ。
だから単純に「スパルタ人すげー!」「レオニダス王かっけー!!」みたいな爽快感があって、それが受けた理由だと思う。
構図もすごい単純で、100万の大群に立ち向かう300人の戦士のお話だから、無双だけでも全然OK。基本1か所で戦うだけだから舞台も入れ変わらないしリーズナブル(予算的に。前作は予算少なかったみたい)。

でも今回はそうじゃない。テミストクレスは史実では優れた将であっても無双するようなタイプじゃないし、ギリシア連合とペルシアの戦力比は、圧倒的に不利だけどテルモピュライのスパルタほど絶望的でもない。前作のキモであった部分が作りづらい。
舞台もアルテミシオン→サラミスに移動。(今作中でも移動するけど、海上の描写が単一なので別の場所に移った気がしない。やっぱり予算がないのかね)
でも、それでも前作っぽくしようとしたから、「テミストクレス無双(でも中途半端)」みたいな感じになっちゃった。

アルテミシアをテミストクレスに絡ませすぎたのも失敗だと思う。あの一連の絡みでサラミスの海戦が「ギリシアの自由を守るため」じゃなくて個人的動機に基づくものに矮小化されちゃったように思う。

アルテミシアとか古代ギリシアではロマンの塊みたいなキャラクターなのに、幼少の体験でギリシア人に恨みを持つ復讐者みたいになって、まあそこまではいいんだけど、単なるペルシアに飼われている女になっちゃってる。これじゃあかえって小物感全開な気がするのは私だけなのか。もっとこう、クセルクセスとテミストクレスを手玉にとってのし上がろうとする展開を期待してたので、残念な感じ。

ということで、残念ながら今作は前作を大きく下回る出来でした。映画単品としてみても(史実的な部分を除いても)イマイチな感じ。点数でいうと10点評価で2-3くらいかなぁ。
あんまりおもしろく、とんがったところもなかった印象。3作目につなげるヒキっぽいのもあったけど、続編はないんじゃなかろうか。

というわけでまさにチラシの裏でした。口直しにペルシア戦争関係の本でも読みなおそう。
……こう思えただけでも映画を見た意味はあったかも。このままモチベーションをあげて「古代ギリシア入門」更新に持っていきたいなぁ。



スポンサーサイト
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。